劔神社(つるぎじんじゃ)は、山口県防府市高井にある神社。式内社で、旧社格は郷社。
祭神
現在の祭神は次の1柱。
- 素戔嗚尊
歴史
概史
創建は不詳。社伝では、第14代仲哀天皇の筑紫行幸の際に、夷狄降伏を祈願して八握剣を神体として祀ったという。また、かつては劔川上流の勝坂に鎮座したともいう(文禄4年(1595年)に現在地に再興か)。
国史では、貞観9年(867年)に周防国の「剣神」の神階を従五位上から正五位下に昇叙する旨が記載されている。
延長5年(927年)成立の『延喜式』神名帳では、周防国佐波郡に「剣神社」と記載され、式内社に列している。
室町時代には大内氏から武勇の神として崇敬され、社領も多く持ったという。また、豊臣秀吉は九州下向の際に祈願し、帰途には唐太鼓を奉納したという。
江戸時代の『防長風土注進案』によれば、本社三間造茅葺、拝殿茅葺三間三間半であり、他に釣屋・御供所・宝蔵などの社殿があった。また勝坂鎮座時には本社五間四面、中殿三間半三間、幣殿五間四面、釣屋一間半二間のそり橋、拝殿七間二間半であり、社前には能舞台があったが、山火事で焼失したという。
明治維新後、明治6年(1873年)に近代社格制度において準郷社に列し、明治8年(1875年)に郷社に昇格している。
2009年7月に起きた豪雨災害の際は、土石流により被害を受けた。
神階
- 貞観9年(867年)8月16日、従五位上から正五位下(『日本三代実録』) - 表記は「剣神」。
境内
主な祭事
- 祈年祭(4月10日)
- 五穀豊穣家内安全祈願祭(7月20日)
- 例祭(9月27日-28日)
- 新嘗祭(12月5日)
脚注
参考文献
- 境内説明板
- 明治神社誌料編纂所編 編「劔神社」『府県郷社明治神社誌料』明治神社誌料編纂所、1912年。
- 『明治神社誌料 府県郷社 下』(国立国会図書館デジタルコレクション)160-161コマ参照。
- 恵良宏 著「劔神社」、式内社研究会編 編『式内社調査報告 第22巻』皇學館大学出版部、1980年。
- 「剣神社」『日本歴史地名大系 36 山口県の地名』平凡社、1980年。ISBN 4582490360。
外部リンク
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