デービッド・ジェフリー・ワインランド(英: David Jeffrey Wineland、1944年2月24日 - )は、アメリカ合衆国の物理学者。アメリカ国立標準技術研究所 (NIST) の物理計測研究所に所属する。
彼の業績は光学の発展、特に四重極イオントラップ(高周波イオントラップ)におけるイオンのレーザー冷却、および捕捉したイオンを量子コンピュータへと応用させる研究で知られる。彼は2012年にノーベル物理学賞をセルジュ・アロシュと共同受賞した。授賞理由は「個々の量子系の計測と操作を可能にした画期的な手法の開発」とされた。
経歴
ウィスコンシン州ミルウォーキー出身。彼はカリフォルニア州サクラメントの Encina High School を1961年に卒業した。カリフォルニア大学バークレー校で1965年に学士号を取り、ハーバード大学のノーマン・ラムゼーの下で研究し1970年に博士号を取得した。彼の博士論文は "The Atomic Deuterium Maser"(原子的重水素マイクロウェーブ増幅器)というものだった。博士号取得後はワシントン大学のハンス・デーメルトのグループに入り、電子トラップとイオントラップを研究した。1975年に国立標準局(現在のアメリカ国立標準技術研究所)に入り、ion storage group(イオントラップによるイオン研究をテーマにした研究チーム)を作った。ワインランドはコロラド大学ボルダー校の物理学部にも籍を置いている。
ワインランドはアメリカ物理学会、アメリカ光学会のフェローであり、1992年に米国科学アカデミー会員に選ばれた。2012年にノーベル物理学賞をフランスの物理学者セルジュ・アロシュと共同受賞した。授賞理由は「個々の量子系の計測と操作を可能にした画期的な手法の開発」とされた。
家族
ワインランドは、妻のドナ・クィンビ=ワインランドとの間に息子2人をもうけている。
受賞歴
- 1990年 - Davisson-Germer Prize in Atomic or Surface Physic (en)
- 1990年 - William F. Meggers Award(アメリカ光学会)
- 1996年 - レーザー科学アインシュタイン賞 (Society of Optical and Quantum Electronics)
- 1998年 - Rabi Award (IEEE Ultrasonics, Ferroelectrics, and Frequency Control Society (en))
- 2001年 - アーサー・L・ショーロー賞
- 2004年 - フレデリック・アイヴズメダル
- 2007年 - アメリカ国家科学賞
- 2009年 - Herbert Walther Award(アメリカ光学会)
- 2010年 - ベンジャミン・フランクリン・メダル(物理学) - イグナシオ・シラク、ペーター・ツォラーと共同受賞
- 2012年 - ノーベル物理学賞 - セルジュ・アロシュと共同受賞
- 2020年 - IRIメダル
脚注
関連項目
- ノーベル賞受賞者からの公開書簡 (2022年)
外部リンク
- David J. Wineland Facts Nobel Foundation
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