武氏祠(ぶしし、拼音: wǔshìcí)は、中国の考古遺跡の一つ。山東省済寧市嘉祥県にある、後漢の豪族武氏を祀った墓地建造物群の総称。嘉祥武氏墓群石刻の名で全国重点文物保護単位に登録されている。

「画像石」すなわち中国神話や歴史故事を描いた壁画・レリーフで知られる。その画像石のうつし(拓本)が、図像資料として広く参照されている。

概要

武氏一族は殷王武丁の末裔とされ、後漢には任城県(現在の嘉祥県)の地方豪族として知られた。武氏祠の建造時期は、後漢末期の桓帝時期の西暦147年から霊帝時期の168年頃と推定される。

武氏祠の画像石については、宋代の金石学者たちが既に言及している。画像石は、もともとは墓に併設されていた石室の壁画だったが、宋代以降、河川の氾濫によって石室が埋没してしまった。清代中期(18世紀後半)、金石学者の黄易が画像石を発掘して、新たに煉瓦造の祠堂を建ててそこに保管した。以降、拓本が流通し画像石の代表例として知られるようになった。20世紀以降、考古学者や美術史学者が整理や研究を進めた。1961年には、第一次全国重点文物保護単位に登録された。21世紀現在、武氏祠があった場所に「武氏墓群石刻博物館」が設立されており、建造物群はそこに収蔵されている。

主に以下の建造物からなる。

  • 武梁祠
  • 武開明(武梁の弟)祠
  • 武斑(武開明の子)祠
  • 武栄(武斑の弟)祠
  • 武氏闕(墓地の入り口)
  • 石獅子

闕などには石文が刻まれており、武氏の人名や建造経緯が書かれている。

ギャラリー

関連項目

  • 中国の絵画#秦漢の絵画
  • 三皇五帝
  • 鉤鑲
  • 風神雷神図

出典

関連文献

  • 菅野恵美 著「画像は語る」、中国出土資料学会 編『地下からの贈り物 新出土資料が語るいにしえの中国』東方書店、2014年。ISBN 978-4497214119。 
  • 林巳奈夫『石に刻まれた世界 画像石が語る古代中国の生活と思想』東方書店、1992年。ISBN 4497923401。 
  • 森下章司「漢代の説話画」『国立歴史民俗博物館研究報告』第194号、2015年。doi:10.15024/00002215。https://doi.org/10.15024/00002215。 
  • 渡部武『画像が語る中国の古代』平凡社、1991年。ISBN 4582284671。 

外部リンク

  • 『武氏祠』 - コトバンク
  • “中国山東省学術調査報告 武氏墓群石刻博物館 (『中国研究集刊』48号・麗号)”. 中国出土文献研究会 (2009年). 2020年8月9日閲覧。
  • “石刻拓本メニュー”. 京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター (2000年). 2020年8月9日閲覧。
  • “【企画展】古代中国の神話と祥瑞-武氏祠画像石拓本- 2022年12月1日(木)~2023年1月31日(火)”. 早稲田大学 會津八一記念博物館. 2022年12月12日閲覧。

东汉 武氏祠画像石 淸末拓本27书法超高清大图原图扫描真迹全图书画图片下载

东汉 武氏祠画像石残拓 淸末拓本书法超高清大图原图扫描真迹全图书画图片下载

武氏祠漢畫像拓片題跋晁岱双书画艺术家大数据_艺盘

武氏祠,武氏祠画像石,武氏家(第7页)_大山谷图库

武氏祠画像石图册_360百科