ジェイソン・アンドリュー・バリテック(Jason Andrew Varitek, 1972年4月11日 - )は、アメリカ合衆国ミシガン州オークランド郡ロチェスター出身の元プロ野球選手(捕手)、野球指導者。。右投両打。愛称はテック(Tek)。2021年シーズンよりMLBのボストン・レッドソックスのゲームプランニングコーディネイターを務める。
経歴
プロ入り前
ジョージア工科大学時代には、カレッジベースボール最優秀選手に3度選出されている。
1992年のバルセロナオリンピックには、同校のチームメイトであるノマー・ガルシアパーラと共に野球アメリカ合衆国代表に選出された。また、ジョージア工科大学時代、ガルシアパーラの他、ジェイ・ペイトンともチームメイトだった。
1993年のMLBドラフト1巡目(全体21位)でミネソタ・ツインズから指名されたが、この時は契約しなかった。
1994年にゴールデンスパイク賞を受賞した。
プロ入りとマリナーズ傘下時代
1994年のMLBドラフトでシアトル・マリナーズから1巡目(全体14位)指名され、1995年4月20日に入団契約を交わした。
レッドソックス時代
1997年7月31日にヒースクリフ・スローカムとのトレードで、デレク・ロウと共にボストン・レッドソックスへ移籍した。同年9月24日のデトロイト・タイガース戦においてメジャーデビューするが、出場はこの1試合のみにとどまる。
1998年には86試合に出場した。
1999年にレギュラーを獲得し、144試合に出場する。
2004年には自己最高の打率.296、18本塁打、73打点を記録した。また守備面でもペドロ・マルティネスやカート・シリングらをリードし、チームの86年ぶりとなるワールドシリーズ優勝に貢献した。オフにFAとなった。チームにはバリテックの他にペドロ・マルティネスやロウなどの主力選手もFAとなったが、球団はバリテックの再契約を最優先させ、4年総額4000万ドルの契約が成立。同時にカール・ヤストレムスキー、ジム・ライスに次ぐチーム3代目キャプテンに任命された。そのためユニフォームにはキャプテンであることを示す "C" のマークが左胸部分に刻まれた。
2005年にはゴールドグラブ賞とシルバースラッガー賞を同時受賞し、アメリカンリーグを代表する捕手となった。
2006年は開幕前の3月に開催された第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のアメリカ合衆国代表に選出された。しかしレギュラーシーズンでは7月31日にヒザの軟骨損傷で9月3日まで故障者リスト入りとなり、その間チームは11勝22敗と低迷した。
2008年は打率.220、13本塁打、43打点と低迷した。4年契約を満了し、シーズン終了後にFAとなった。
2009年1月30日に1年総額500万ドル(2年目は球団が500万ドルのオプション、バリテックが300万ドルのオプション)で合意したと報じられた。
2011年は200万ドル オプションの1年契約で現役続行した。
2012年3月1日に現役引退を発表した。
引退後
引退翌年の2012年9月よりレッドソックスのGM特別補佐に就任した。以後2020年までフロント業務に従事し、2021年シーズンからはゲームプランニングコーディネイターとして現場復帰する。
選手としての特徴
投手から力を引き出すことが上手く、守備に就いた時の防御率が他の捕手よりも良かったことで知られる。野茂英雄(2001年4月4日、ボルチモア・オリオールズ戦)、デレク・ロウ(2002年4月27日、タンパベイ・デビルレイズ戦)、クレイ・バックホルツ(2007年9月1日、オリオールズ戦)、ジョン・レスター(2008年5月19日、カンザスシティ・ロイヤルズ戦)と、メジャー最多記録となる4度のノーヒットノーランの捕手を務めている。
ティム・ウェイクフィールドのナックルボールは苦手としていた。2004年のアメリカンリーグ優勝決定戦第5戦で、ウェイクフィールドが登板した際にバリテックは1イニングのうちに3個のパスボールを記録した。バリテックの現役時代、シーズン中に同投手が登板の際には、バリテックではなく控え捕手のダグ・ミラベリやケビン・キャッシュが出場した。バリテックは「子供の頃から速球を中心として投球を組み立てる投手と組むことが多かったので、ウェイキー(ウェイクフィールド)と組むのはとても大変な仕事だね」と語っている。
詳細情報
年度別打撃成績
WBCでの打撃成績
年度別守備成績
表彰
- シルバースラッガー賞:1回(2005年)
- ゴールドグラブ賞:1回(2005年)
記録
- MLBオールスターゲーム選出:3回(2003年、2005年、2008年)
背番号
- 47(1997年 - 1999年)
- 33(1999年 - 2011年、2021年 - )
代表歴
- 1992年バルセロナオリンピックの野球競技・アメリカ合衆国代表
- 2006 ワールド・ベースボール・クラシック・アメリカ合衆国代表
脚注
関連項目
- メジャーリーグベースボールの選手一覧 V
- 左右打席本塁打
外部リンク
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)




